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渡米まであと一週間

私、今月で還暦です。この年でアメリカへ移民するとは思わなかったけど、まぁ、これも運命だね。
当初の予定では主人が日本へ来るはずだったんだけど、人生、計画通りにゃいかないもんで。
60歳からアメリカで暮らすって、正直不安のほうが大きいよ。
でも、今更、後戻りはできないし、前向いて生きてくしかしょうがないじゃん。

楽しいこと考えよう!

昔書いてたブログを見てたら、サンフランシスコのフォトエッセーが出てきました。
このオーシャンビーチってとこ、ここは良かったよ。機会があったらまた行きたいな。

https://www4.hp-ez.com/hp/leeaoi/page5/2

それから、このエッセーに出てくる『ビヘッダー』っていうハードボイルド小説はまだ未完成だから、向こうの暮らしになれたら続きを書こうかな。

カフェメモワール

カフェ『メモワール』


glitter-graphics.com

2018年多治見市文芸祭に応募して入賞しました。


エッセー風小説です。今まで掲載した料理にまつわるエピソードやサンフランシスコの思い出などを、ある時は物語風に、ある時はエッセーで。


                    ☆☆☆☆☆

            第1話 アンチョビとマッシュルームのピザ



 毎週金曜日の午後、サンフランシスコのダウンタウンにあるカフェに可愛らしいカップルがやって来ます。
彼はアメリカ人の警官。彼女はアメリカに来たばかりの日本人留学生。
彼と彼女では味気ないので、二人に名前をつけましょう。ジョンとマリアでどうですか?

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 ジョンはアメリカ人にしては背が低いほうです。おかっぱ頭のマリアは実際の年齢よりもずいぶん幼く見えます。
 ふたりのデートタイムはジョンが非番になる金曜日の午後。ジョンがお気に入りの小さなカフェからふたりのデートがスタートします。カフェのカウンターに座ると、ジョンのお決まりのセリフ。
「お腹減っただろ。今日は何がいい?」
「アンチョビーとマッシュルームのピザ」
 と、これもマリアのお決まりの返事。

 でもね、マリアはそのピザがそんなに好きじゃなかったんです。ピザの上に乗った真っ黒のアンチョビが、焦げた唐辛子のようで、食べたときに口の中に広がる苦味がどうしても好きになれませんでした。
でも、不味いとは言えません。大好きなジョンが「これが一番おいしいんだ」といって教えてくれたピザです。

 マリアはジョンとデートするときはもちろん、そうじゃないときもカフェに入るといつもこのピザを注文します。カフェにはたくさんの種類のピザがあります。それなのに、注文するのはいつもアンチョビ とマッシュルームのピザ。
 だって、マリアは日本から来たばかり。英語もよくわかりません。
カフェに入ったときは、「アンチョビアンドマッシュルーム」
この単語しか知らなかったんです。


     ☆☆☆

 もしも我が家に大きな窯があれば、本格的なピザを作ってみたい。
でも、小さなオーブンしかないので、市販のピザにひと工夫。
スーパーで売ってる冷凍ピザにアンチョビとマッシュルームをパラパラパラ。
焼き上がりのお味はね、アンチョビの苦味が程よくって、ビールにバッチリ。
アダルトムード。


      **********************************

      第2話 ジャズメン

 サンフランシスコ市警のジョン・ロウ巡査は大の日本びいき。
いつか日本に行ってみたい――それが彼の夢でした。
でも、長期休暇はなかなかもらえませんでした。
ところが、ある年の夏、ついにその願いが叶います。


 日本に旅立つ日、飛行機の出発時間よりも5時間早く空港についたジョンは、出国手続きをすませ、搭乗時間になるまで待合室の椅子に座っていました。
そこへやってきたのが、テナーサックスで有名なジャズメンのジェームズ・ムーディー(James moody )です。彼はサックスの入ったケースをさげてジョンの横を通りすぎ、一番前の椅子に座りました。
当時ムーディーは、サンフランシスコ、ベイエリアではかなり知名度の高いジャズメンでした。ジャズにはさほど興味のなかったジョンでもムーディーの名と彼のサックスは度々耳にしたことがあります。

 有名人に会えた嬉しさで、ジョンは思わずムーディーに声をかけました。
「あなたのサックスの大ファンです」


 ジョンは、ムーディーに何かプレゼントしたいと思いました。でも、贈り物にするようなものは持っていません。ふと思い出したのが、手帳に挟んであるヨセミテ渓谷の写真です。ジョンはその写真をムーディーに見せました。
「僕は警官ですが、カメラが好きでアンセル・アダムスのアトリエで少しだけ写真のことを勉強したことがあります。これはその時に写した写真です。もしよかったら受け取ってください」
 ムーディーはにっこり笑ってジョンの写真を受け取ってくれました。

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 40年後の夏。

 ジョンは久々にもらった休暇を日本で過ごすため、妻のマリアとサンフランシスコ国際空港へ行きました。待合室に行くと、一番前の椅子に座って眠っている黒人の男性がいます。
足元にはサックスを入れるケース。

まさか――

 ジョンは半信半疑でその男性の側にいき、顔を確認しました。年齢は60代後半かあるいはもっと上。黒い肌とはげ上がった頭。丸い顔。
ジョンの勘は大当り。そこに座っていたのは間違いなくジェームズ・ムーディーです。
 あの時と同じ場所。40年後に出会った嬉しい偶然。

 ムーディーが目を覚ますと、ジョンは思い切って声をかけました。
「私は40年前、ここであなたにヨセミテの写真を渡した警官です。覚えていますか」

 ムーディーは突然声をかけられて、はじめは驚いたような顔をしましたが、すぐに笑顔になり、
「オー、イエス。もちろんよく覚えてるよ」
 大きな手をジョンに差し出し、握手をしました。

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 それから約15時間後、ジョンとマリアは関西国際空港に到着しました。大阪の街でムーディーのCDを買い、その夜は、二人でバーボンを傾けながら、ムーディーの甘く切ないサックスの音色に酔いしれたとか――





※ジョンが2度目に空港でムーディーにあったのは2009年です。
その翌年2010年の12月、ムーディーはすい臓がんのためカリフォルニアのサンディエゴで死去しました。


*****

第3話 古き友 コイトタワー

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  サンフランシスコ北部にある海の見える小さな丘――テレグラフヒル。この丘を取り囲むように美しい公園が広がり、木々の緑は麓を走るフィルバートストリートに向かって流れていきます。丘の頂きには、サンフランシスコの観光スポットの中でも特に観光客に人気のあるコイトタワーがそびえています。ホースのノズル型をしたこの塔は、ノースビーチ、チャイナタウン、フィッシャーマンズワーフ、フィナンシャル地区から眺めると、サンフランシスコの地平線から天に向かって突き出したコンクリートの柱のように見えます。

 ジョンとマリアが出会った頃、テレグラフヒルの麓にジョンのアパートがありました。コイトタワーまで徒歩で約15分、街の騒音に悩まされることのない緑に囲まれた静かな住宅地です。

  ある年の夏、マリアが初めてジョンのアパートに遊びに来た日のことです。ジョンは真面目な顔でマリアにこんなことを言いました。 
「朝、窓を開けると、どんな悪天候でもコイトタワーがおはようって挨拶してくれるんだ」
重大な秘密でも打ち明けるような顔つきでそんなことを言うので、マリアは思わず吹き出してしまいました。
ジョンはデートのたびに、サンフランシスコの見どころを優しい英語でマリアに教えるのですが、コイトタワーの話になると、まるで自分の宝物を自慢でもするかのように一段と話に熱がこもり、英語も少し難しい単語が入ってきます。

「僕が初めてテレグラフヒルのコイトタワーに行ったのは1953年、まだ小さな子供の頃だった。その時も、もちろん今でも、下から見上げた眺めは素晴らしいの一言だよ。Awesome!(畏怖の念をおこさせる) と言う言葉以外、出てこなかったよ。まだあの時は子供だったから、コイトタワーは今まで見たどんな塔よりもずっと大きく見えたんだ。近くに駐車場があるんだけど、そこからの眺めも最高だ。ノースビーチのイタリアンコロニーだろ。それからミステリアスでエキゾチックなチャイナタウン、サンフランシスコ湾に浮かぶ沢山の船。1953年はまだアメリカは朝鮮との軍事的緊張が続いていた時代だったからね。サンフランシスコ湾には沢山の貨物船がいて、桟橋は軍人でいっぱいだったよ」

 それから何年も過ぎ、ジョンはテレグラフヒルから約0.5キロほど南に離れたセントラル署に配属され、チャイナタウン、ノースビーチを毎日パトロールしました。パトロール中、スカイラインに目をやれば、そこにはいつもコイトタワーがありました。ジョンがどこにいても、コイトタワーが見守っています。

 ジョンは警察を退職した翌年、マリアの実家で数週間過ごしたことがあります。周りを山に囲まれた織部焼きの茶器で有名な小さな街です。歩くことが大好きなジョンは、毎朝、食事が終わるとマリアと一緒に山道を散歩しました。長年のパトロールで鍛えた足腰は年をとってもまだまだ達者です。でも、時々、立ち止まって遠くの空を見つめています。
「何を見てるの? ひょっとしてコイトタワー?」
 マリアが冗談交じりに尋ねると、ジョンはにっこり笑って頷くだけで何も答えませんでした。
 たとえ違う土地に移り住もうと、ジョンはいつも心の中で、古き友コイトタワーを探しています。





※コイトタワーは1933年、リリー・ヒッチコック・コイト(1842-1929.7. 22)の遺産の一部を使って建てられたホースのノズルの形をした円形状の塔です。彼女は消防士の守護聖人と言われています。彼女が愛して止まないサンフランシスコの景観をさらに美しくし、また、1906年におこった大地震で命を落とした多くの消防士に捧げたいという彼女の遺志にしたがって、遺産の1/3を使ってコイトタワーが完成しました。

下の写真、煙突のように見えるのがコイトタワー。この写真をとったとき、アルカトラズまで泳ぐ水泳大会に向けて訓練してる人がいました。非常に過酷なというよりは怖い大会です。ホオジロザメがいるんですよ。

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アル・カポネが収監されていた洋上の監獄アルカトラズ

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第4話 キャプテンマッカーシー


 10月9日はマリアとジョンにとってとても大切な日です。この日は、ジョンの仕事が終わると、フィッシャーマンズワーフの近くにあるアイリッシュパブ『ギンズバーグ』に出かけていき、ジョンはオールドブッシュミルズ、マリアはギネスで乾杯します。

ふたりの結婚記念日?それともどちらかの誕生日? いいえ、そうではありません。10月9日は、ジョンとマリアを我が子のように可愛がってくれた消防署のキャプテンが亡くなった日です。彼の名前はダン・マッカーシー。赤ら顔でグレーがかったフサフサのヒゲ。巨大な岩のような体。重低音を響かせたアイルランド鉛の英語は、ジョンの言葉を借りれば「イングランドの古い物語に出てくる中世の騎士」のように聞こえました。

「キャプテンは太ったアイバンホーかロビン・フッドだ。だけど、もっと痩せないと馬が潰れてしまうよ」
 ジョンがからかうと、キャプテンは、「おまえたちは子猫のようではないか。それでは踏み潰されてしまうぞ」とジョークで返し、窓ガラスが震えるほど元気な声で豪快に笑っていました。
 ジョンが初めてキャプテンに出会ったのは、チャイナタウンにある古びた住居一体型のホテルでした。孤独死した老婆の腐乱死体が見つかったという通報を受け現場に行くと,3名の消防士が、送風機を使って死臭の除去作業をしていました。3名の中で一番体が大きい消防士がノースビーチにある消防署ステーション2から派遣されたキャプテンマッカーシーでした。

 酷い死臭の中で現場検証をしている若い警官や鑑識員たちは、いまにも吐きそうな表情で仕事をしています。でも「吐く」という贅沢は警官には許されません。それは消防士も同じです。意気消沈している仲間を見ると、キャプテンはジョークで重苦しい雰囲気をやわらげてくれます。 

「病気になって一人きりで死ぬと言うのは、考えると恐ろしいですな。でも、私の場合は、そういうことは絶対におこりませんよ。私が息を引き取るまで、女房が枕元で小言を並べてくれますから、一人さびしく死ぬことはないでしょう」

  いつも死と隣合せに働いているベテランの警官と消防士は、どんな状況になってもジョークを忘れません。
『笑っている人間に死神は取り付かない』――ジョンがマッカーシーキャプテンから教えてもらった言葉です。

ジョークが好きで、いつも仲間の身を案じ、ギンズバーグで度数の強いアイリッシュウイスキーを飲みながら、低音でアイルランドの民謡を歌っていたキャプテンマッカーシー。彼の周りにはいつも仲間の笑顔がありました。

 でも、2000年10月9日の深夜、キャプテンは冷たい路上で誰にも看取られることなく息を引き取りました。その日、たまたま立ち寄ったバーで客同士の喧嘩に巻き込まれ、頭を鈍器で数発殴られて意識不明の状態で明け方まで路上に放置されたのです。発見されたときには既に事切れていました。


 毎年10月9日の深夜になると、仕事を終えた警官や消防士たちがギンズバーグに集まってきます。皆、キャプテンマッカーシーの仲間です。ジョンとマリアも大きな男たちの仲間に入り、ジョークを飛ばし、大声で笑い、バグパイプの演奏に合わせて、キャプテンが大好きだったアイルランド民謡を歌います。ジョークが好きで、いつも笑っていた豪快な大男に悲しい話は似合いません。

『もう二度と、キャプテンを一人きりにはしないよ』
 皆、心の中でそう思っているのでしょう。

 笑い声は東の空がうっすらと金色に染まるまで続きます。


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*******************

(ジェットストリームの城 達也さん風に)


本日はカフェメモワールにご来店いただきまして、まことにありがとうございます。
そろそろ閉店の時が近づいてまいりました。
星のない寂しい夜も、やがては美しい金色の空へと変わっていきます。最後にお届けするこの曲が、新しい一日の始まりへ、希望の光となって溶け込みますように。




『思い出のサンフランシスコ』 
歌:トニー・ベネット





心は 今も サンフランシスコに残ったまま
  坂の上から わたしを呼んでいる
   そこでは 小さなケーブルカーが
    星空に向かって登り
     冷え冷えと たちこめる 朝霧も
         わたしには 苦にならない

 愛しい人が 待っている サンフランシスコ 
   風わたる 青い海
   おお、サンフランシスコよ 帰ってきたわたしを 
      燦々と輝く あなたの太陽が 迎えてくれる


テーマ:ショート・ストーリー - ジャンル:小説・文学

自作小説

数年前、小説サークルにいて、いろいろ書いてました。
過去作品はここにあります。

writer 's inn

インターネット紙芝居

ジャパンタイムズのライターさんがこの話気に入ってくれて、『ロケットニュース24』に載せてもらいました。

空飛ぶ豚の伝説

みやちゃんの絵日記

サンフランシスコツアー


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7月12日

今日はパパといっしょにサンフランシスコへ遊びに行きました。
フェリービルというところから船にのりました。小さいけどかっこいい船です。でも、エンジンの音がうるさかったです。パパは私の手をひいて、船の中を歩き回りました。
 遠くの方に長くて赤い橋が見えました。
「ほら、あれがあれがゴールデンゲートブリッジだよ。記念の写真をとろうね」
 パパが言いました。


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猫のスミエとサイトーとマックスといっしょにインターネットの写真で見たときは、たった5センチの長さだったので、小さな橋だと思っていました。でも、ほんもののゴールデンゲートブリッジはびっくりするほど大きくてちょっと怖かったです。家に帰ったら、スミエたちに教えてあげようと思います。





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パパがゴールデンゲートブリッジの歴史をおしえてくれました。何年も前にモスラがサンフランシスコに来て、ゴールデンゲートブリッジを壊したそうです。それからメガシャーク、巨大タコ、虫の怪獣、エイリアンもサンフランシスコに来て、この橋をぐちゃぐちゃにしてしまったとパパが言いました。
こんなに綺麗な橋を壊してしまった怪獣はとても悪いと思いました。

だから、怪獣島にいるゴジラさんに手紙を書きました。
「サンフランシスコに悪い怪獣が来たら助けに来てください。でもゴールデンゲートブリッジは壊さないでください。どうしてもアメリカであばれたかったら、よその街へ行ってください。ニューヨークのマンハッタンはどうですか? もしもゴジラさんがそこに行ったら、マグロを沢山もらえるだろうとパパが言ってました」



7月15日

今日はサンフランシスコ港(みなと)の横にある水族館へ行きました。ホオジロザメさんに会いたかったけれど、ネコザメさんしかいませんでした。
水そうの中を見ていたら、ネコザメさんがよってきたので、ホオジロザメはどこにいるのかとききました。

「ちょっと前なら覚えちゃいるが、一年前だとチトわからねぇなぁ。三角背びれの男だって? ここにゃたくさんいるからねぇ。わるいなぁ、他をあたってくれよ。あんた、あいつのなんなのさ」


こんどは別のネコザメさんがそばに来て教えてくれました。

「半年前にやめたはずさ。アタイたちにゃあいさつなしさ。スピルバーグにスカウトされたってさ。そりゃもう大騒ぎ。ハリウッドのドル箱スター。こんなとこにいるわきゃないよ。あんた、あいつのなんなのさ」


そういうわけなので、ホオジロザメさんには会えませんでした。その代わりに、パパがサメのぬいぐるみを買ってくれました。



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7月17日

 今日は良い天気です。だからパパと一緒にケーブルカーに乗ってノブヒルまで行きました。
ケーブルカーを降りると、海が見えました。青い海の真ん中に白い島がありました。

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「あの島はなに?」
 私が聞くとパパは少し怖い顔になりました。
「あそこはな、泣く子も黙る鬼の看守に支配された恐ろしい島だ。世間じゃアルカトラズって言ってるが、ギャングのあいだじゃロックって名で呼ばれてる監獄島だ。島の周りにゃ、電流の鉄条網がぐるぐるよ。おまけに監視の目が厳しくってな。海にゃホオジロの旦那が大口あけて待ってるからな。鼠一匹逃げ出せやしねぇ。いいか、ミヤ。よっくきくんだ。オメェだけはあそこに入るんじゃねぇぞ。入ったが最後、二度とシャバの飯は食えねえ。泣いてもわめいても誰もたすけちゃくれねぇ。あの島にはな、慈悲も慈愛も、そんなもんはかけらもねぇ。よっく覚えとけ。忘れるんじゃねぇぞ。おっと。そうだそうだ。そういえば昔、一人だけ脱走したのがいたな。監獄の壁に穴掘ってな、まんまと逃げ出しやがった。そのあとは、サンフランシスコ市警の殺人課にいって刑事になったって話だがな」

 パパはまぶしそうな目で島を見ていました。そのとき風が吹いて、パパの髪の毛がちょっとリーゼントみたいになりました。

  今度から、パパとママに怒られてお部屋に閉じ込められたときは、壁に穴を開けて逃げ出そうと思います。





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