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ハメットの英語から

言葉は時代によって変化していきます。
それぞれの時代には、その時代に特有の言い回し、表現方法があります。
例えば、現代ならば、「言葉を短縮する」これが今の流行りだと思います。
では、ダシール・ハメットの時代(1930年代頃)はどうかといえば、会話の中に慣用句(イディオム)を使うことが好まれたようです。

ハメットの原書には慣用句がたくさん出てきます。でも、邦訳を読んでいると、時々「???」な文章に出会います。
以下は「マルタの鷹」からの抜粋


 
 その日の夕方、五時十分すぎにスペードはオフィスに戻った。エフィ(スペードの秘書)はスペードの机の前で『タイム』を読んでいた。スペードは机の上に腰を下ろした。
何かあったか」
「こちらは平穏無事よ。カナリヤでも飲み込んだような顔をしているのね」



太字がハメット時代の慣用句

★「何かあったか」
 原文は「Anything stirring?」

 「何かあったか」という訳で間違いはありませんが、この言葉の中には「何かエキサイトするようなことはあったか(there anything exciting going on)」というニュアンスが含まれます。



★「カナリヤを飲み込んだような顔」 どんな顔か想像できますか?
私は最初この文を読んだとき、気持ち悪くて履きそうな顔をしているスペードを想像しました。

原文は
「you look like you'd swallowed the canary」
 翻訳はこの英文の直訳です。間違いはないですが、直訳では意味が通じないでしょう。正しい意味は

「very self-satisfied  (すごく満足している)」
「self-content (自己満足)]

猫がカナリヤを食べて、腹が膨れて大満足 こういう状態を表した慣用句です。



パンダならこんな顔

a.jpg




******************


ハメットを初めて読んだのは、中学か高校の頃だったと思います。その時は、全く面白くない本だと思いました。それから数年後、もう一度、ハメットの「マルタの鷹」を読みました。それでもやっぱり面白くない。映画も見ましたが、ハンフリー・ボガードの茄子のような顔が好きになれず、どこが面白いのかさっぱりわかりませんでした。それからウン十年たってアメリカに行き、今の主人と出会い、サンフランシスコをあちこち案内してもらいました。サンフランシスコといえば、ハメットとダーティー・ハリーだ、これが主人の口癖でした。
「ハメットなら読んだことがあるよ」と話のついでに言ったことがあります。これを「わたしはハメットファンだ」と主人は勘違いしたんでしょう。事あるごとにハメットの話ばかりするようになりました。

私も暗示にかかったんでしょうね。もう一度 ハメットを読んでみるかな と思い、本屋でハメットの原書を探している時に、ハメットの顔写真を初めて見ました。なんという凛々しい顔立ち。完全な一目惚れです。

それから突然 ハメットにはまってしまって手に入る本は全部 読みました。
ハメットに一目ぼれした途端に、今まで面白くなかったストーリーが急に面白くなってきたというのも、何ともまぁ調子のいい話ですが、ホントです。物語の中に 初めてのめり込むことができました。もちろん、原書を読めるだけの英語力はなかったので、わからないことが出てくるたびに主人に聞きました。

原書を読んで、英語で質問し、英語で説明を受けるということを毎日繰り返しました。主人は 24時間いつでも質問できる「歩いてしゃべる英語辞典」です。私の質問全てに嫌な顔一つせず答えてくれた主人の根気の良さには感謝と同時に脱帽です。
今は、「ヘイ、クエスチョン!」というと「猫に聞け」といわれますが。。。






ハメットの作品は今でも、時々 読み直しています。
最初に読んだ「マルタの鷹」の原書は、書き込みやらマーカーやら、コーヒーのシミでぐちゃぐちゃです。翻訳書の方は表紙がちぎれてセロテープでベタベタ。ページも外れてボロボロですが、ハメットの本だけは捨てられません。宝石よりも大切な宝です。


テーマ:語学の勉強 - ジャンル:学問・文化・芸術

Flowery English

Flowey English とは。美辞麗句だらけの英語。

作家の文体で言えば、新渡戸稲造の『武士道』がこれにあたります。日本語の『武士道』ではそれを感じることはないでしょうが、原文の英語は、かなり古臭いので、英文の勉強には不向きです。
新渡戸の英文は、綺麗な表現というよりも、いかに自分が賢いか,洗練されているかが鼻につく文章です。
新渡戸の英語は「質が高い」と言われていますが、何を基準にそういうのか、よくわかりません。
かつて、ラフカディオ・ハーンも、Floweryな文章を書いていましたが,のちに考えが変わりました。

In 1893, he wrote Basil Chamberlain, “After years of studying poetical prose, I am now forced to study simplicity. After at- tempting my utmost at ornamentation, I am converted by my own mistakes. The great point is to touch with simple words.” And that is exactly what he did for the rest of his career. Instead of using important-sounding words to describe things that were not necessarily important at all, he depended on the events themselves to impress the reader and thus looked for words that would reveal them clearly.

美しい英語なら。イーディス・ワートンやディケンズをすすめます。
但し、現代英語ではなく,ビクトリア時代の流麗な英文です。

もしも、1890年から1920年ごろの作品を、原文の雰囲気を壊さずに訳すならば、明治の文豪の文章スタイルがピッタリだと思います。でも今どき、文語体で訳した本を出版しようなどと考えてる出版社はいないでしょう。
高校卒業までの文法力があるなら、原文で読むべきです。

DIME

It's the city's dime.


Dime は10セントのこと。
アメリカの公衆電話は市内通話で3分10セントです。
上の英文は、「市内は電話代、10セントだよ」という意味ですが、この英文は、イディオムのように使う場合もあります。

その場合は

it's your dime.

どういう時に言うのか。
例えば誰かがあなたに

「電話 貸してもらえる?」といったら、
「It's your dime]
(どうぞ使って。私がお金払うんじゃないから私には関係ないわ。電話代10セントはらうのはあなたなんだから)

このような言外の意味が含まれています。

皮肉ではなく、質の良い軽いジョークですので、普段,使ってもOK。

こんな感じでどうぞ。

Do you mind if I call my mom?  ママに電話していい?

Go ahead, It's your dime.   どうぞ、電話代10セントね



般若心経、英語で言うと・・・

米国に行って、英語ができても日本の古典や歴史を知らないと恥をかく場合があります。
以前、知人と話をしていたときに、「色即是空、空即是色」は一体どういう意味かときかれて非常に困りました。

どういう意味かと質問されても、日本語ですら答えられないことを、ましてや英語で言わなければならないとなると、もう、お手上げ状態で、「武蔵が最後にたどり着いた心境」と答えておきました。

まさか、般若心経の英訳などないだろうと思ったら、見つけました。

下記のサイトにあります。

興味のある方はご覧下さい。


http://kr.buddhism.org/zen/sutras/conze.htm


先日、下記の本をアマゾンで注文しました。

江戸時代の半ばごろの学問である国学に関する本ですが英語でどうやって説明してあるのか非常に興味があります。


Before the Nation: Kokugaku and the Imagining of Community in Early Modern Japan (Asia-Pacific)
Suzan L. Burns (著)



中国の代表的な古典はインターネットの中に無料で読める英訳が見つかると思います。

英語のタイトルのみ記載します。

一度、探してみてください


[四書五経]


the great learning (大學)

doctrin of the Mean (中庸)

the Mencius(孟子)

Analects(論語)

classic of hangescnges(易經)

Classic of poetry(詩經)

classic of Rites((禮記)

Classic of History(書經)

Spring and autumn annals(春秋)






ニューイングランドの英語

ニューイングランドはアメリカの地図の一番上の一番右端の方にあります。
コネチカット、マサチューセッツ、ニューハンプシャー、バーモント、メイン、ロードアイランド
これら6つの州をあわせた地域がニューイングランドです。
ニューイングランドはアメリカで一番古い地域です。
この地域はピューリタンの作った植民地だったので、
この辺で話されている言葉は イギリス英語の影響が大きいです。


さて、下記の英文は挨拶代わりに ブログなどでよく使います。

Do hope you stay a while and enjoy

これがニューイングランド英語です。

直訳すると
「暫くの間、ここに留まっていただき、楽しんでいただけますように心から願っています」

ところが、昨日の日記で書いた英文同様に、この英文も enjoy のあとに目的語がないから ダメだと言われました。
ダメというのは アメリカ人には通じない英文だと、その人が思いこんでいるからダメと言っているのか、それとも学校で教えてもらっていない英文で文法書にも書いていない、テストではバッテンになるからダメと言っているのか 、その辺の理由がよくわかりませんが。これについては また別の機会に 私の考えを書きたいと思います。
上に書いた英文は丁寧な会話用の英語ですので、学術論文などライティングには不向きです。

ワシントンDC、ニューヨークの一部の地域でも、会話で使われています。

アメリカでは頻繁に聞く表現ではないですが英国ではよく使っているようです。

ただし、この英語は上流社会の敬語になりますので、平均的なアメリカ人家庭の日常会話(家族、友人 知人とのフレンドリーな会話)の中ではほとんど聞くことはないです。

イギリスではケンブリッジやオックスフォード、イートンカレッジの卒業生、英国議会のメンバーなどが会話するときに使っているようです。


ところで、1つ聞きたいことがありますが、方言は悪い言葉ですか?
例えば、大坂の人ならば お客様が何かを買われたときに、「おおきに」と言いますよね。
そこで、この大阪弁を聞いたある日本語を勉強しているアメリカ人が
「”おおきに” なんて日本語はおかしい、ありがとうが正しい日本語だ」と言ったらどうしますか?
 アナタ何を馬鹿なこと言ってるの、と、色々言いたいことが出てくるでしょう。

学校で習わなかった、今まで聞いたことも見たこともない英文に出会うと、これはダメだよと言う前に、本当にダメなのかどうか、先ず 調べるのが先決です。


アメリカは広いです。
言葉も一口に英語といっても、地域によって違いがあります。
南部の方に行くと、16世紀頃に使われていた言葉がまだ生きていて、使っている人たちもいるようです。

住む場所が違うと、アメリカ人同士でも英語が通じない場合もあります。

「一体何処の州の言葉が標準語ですか」とアメリカで英語を教えているアメリカ人の先生に聞いたことがあります。

難しい質問だ と言われました。

何処の国の言葉でも これが標準語だ と言うのはあります。しかし、それぞれの州には 発音に その土地特有の訛もあり、この州の言葉が標準語だといっても、すべての人が標準語で文法の規則通りに喋るわけではありません。
又、北部の人たちは 南部の英語は悪い英語だと言う人たちもいます。アフリカ系アメリカ人の英語は英語ではないといって毛嫌いする人もいます。これは南北戦争の傷跡がいまだに残っている良い証拠です。
イギリス人の前で米語を使うと 嫌な顔をされる場合もあります。その逆も成り立ちます。

今習っている英語は 何処の州の英語なのか こういう事も念頭に入れて 学ぶことも大切なことだと思います。

私のブログで使っている言葉は 米国北部の米語です。
私が日本語で書いているのと同じ程度の敬語とフレンドリーの中間くらいの表現です。


最近はアメリカ人の日常会話の中にイーディッシュ語(東欧のユダヤ人の言葉)が入り込んできています。
イーディッシュ語も その内、このブログで紹介しましょう。




that phrasing - "Do hope you stay awhile and enjoy" is common conversational English in New England region of the United States,
you could call it "New England -ben" which includes Massachusetts, Connecticut, Vermont, Rhode Island, and parts of New York State as well as in the Washington DC area, used widely in what is commonly termed "Polite Society".
It is an upper-class English form regarded as extremely polite, even formal, The same form is very common in the UK, particularly among Britain's upper-class and to people of high education and breeding.
One is likely to hear such a phrase from graduates of Eaton, Oxford, Cambridge, members of Parliament, etc.
One is not likely to hear it in typical, everyday, average USA conversation which tends to be more casual and less polite.


To criticize this expression: "Do hope you stay awhile and enjoy" is to show an unfamiliarity with all of the regional dialects as well as the social dialects common to English speaking countries.
I would be equally insensitive if I was ignorant of Osaka-ben, Kyo-ben, etc.
Just as there is a standard Japanese, largely due to efforts begun in the Meiji Jidai, there is a standard English; however, in casual spoken and written usage, one does not always write in standard form, but rather in the local dialect or usage. Also, in the United States, there are some regions in the South, which use a dialect more closely resembling Old English of the 16th century and is quite difficult to understand. If one wants to claim supremacy in English knowledge, one must study all its forms (dialects/bens) and regional usage.


テーマ: 英語・英会話学習 - ジャンル:学校・教育

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